東京大学のアルバート・アイラー (キーワード編)
Posted on 2009年04月07日 | コメント (0) | トラックバック (0)
文庫版が出たので読んだ。
最終章の「カウンター/ポスト・バークリー」は物凄く難しいので注意。久しぶりに脳ミソがシパシパになった。人格破壊するかもしれない。
和音の構成音を証明する際に下方倍音から導き出すというのを知っているだけではこの楽理を理解したことにはならないと思う。理解する必要があるかどうかは別にして、僕にはムリっす。
ただし、菊地さんは最後に、こういう楽理を提示できる人が日本にいること、海外の楽理を日本でリリースするだけではなくきちんと検証すべきだということを述べている。東大での講義であることを考えると、あたりまえかもしれないが、講義の芯にこのココロがあるのはフラグを立てるところだと思う。
拡大解釈かもしれないけれど、既存のセオリーで音楽をやるということよりも、オリジナリティが大切だということを言っているようにも感じる。僕のような口ばっかりのアマチュアは、まずバークリー・メソッドを知り、勉強することが大切だが、そもそも誰かになるために音楽をやっているのではなく、より自分になるために演奏をやっているのだから、やっぱりそこが大切だよなと思い返したりする。
また、情報量が多い本なので、カタログ的な価値もあると感じる。以下は、読んでみたいと思った本一覧。
黒人リズム感の秘密
4873020093
七類 誠一郎
\ 2100
ブラック・マシン・ミュージック
4309264948
野田努
\ 2940
ブルースに囚われて
479729065X
\ 2520
憂鬱と官能を教えた学校
4309267807
\ 3675
講義中に多数の音源が公開されているので、それらについても探して聴いてみたい。音楽は語るものではなく、聴いたり、演奏したりするものだからね。
最後にもうひとつ。全体にジャズへの愛が満ちている。239P にある「何度でもビバップは聴こう」というフレーズには、小さなことかもしれないが、ハッとした。
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