僕は、クラブのジャズと、普段、僕が聴いたりプレイしているジャズとは、大変な隔たりがあると感じている。
Posted on 2008年10月22日 | コメント (2) | トラックバック (0)
- 何を今さらという内容だけれども -
意識し始めたのは Coutney Pine が [Modern Day Jazz Stories] というアルバムを出した頃で、今から 13 年ぐらい前だ。まだ結婚する前で、付き合ってた彼女 (=今の妻) がコートニー・パインを好きだったこともあり、当時 2 回も BN Tokyo のライブに行っている。
今々のコートニーのバンドがどうかはわからないけれど、そのバンドは sax,g,p,b,dr というオーソドックスな編成のバンドにスクラッチをする DJ とサンプリングしたサウンドを入れる DJ を加えており、その DJ らは、バンドに対してパーカッションのように音を入れていた。
まだ、ジャズとクラブミュージックをあわせたものというと US3 ぐらいしか知らなかったから、完全にライブ演奏を意識したジャズのバンドスタイルであることにとても驚いた。明らかに融合された新しいサウンドだと思った。
さらに 6 年後、Herbie Hancock が [Future 2 Future] をリリースした。これも新しいサウンドだとは思ったけれど、コートニーが先の [Modren Day~] 以降 [Underground] をリリースして 5 年近く経った後なのでそれほどのインパクトは無かった。
コートニーがイギリス人だった分、クラブ・サウンドについて造詣が早かったんだと思う。
だけれどもハンコックがこのアルバムをリリースしたことにより、クラブ・シーンとジャズ・シーンがだいぶ歩み寄った状況になったと思う。(アマチュアも含め) ジャズの心得のあるミュージシャンが、クラブ・シーンに目をつけるようになり、クラブ側もジャズの生のライブをやるのが珍しくなくなった。
僕もそのうちの一人で、このぐらいの年からクラブ・シーンを具体的に気にするようになり、同時にその状況についてとても疑問を持った。クラブではジャズのパーティがあり、お客さんが入って楽しそうなのに、ジャズ屋にはジャズオヤジがトグロを巻き、閉店も相次いでいる。その差は何だろう。同じジャズなのに景気に大変な差がある。
ジャズの歴史から考えても、ジャズが演奏されるべき場は、コンサート・ホールではなく、また高級な飲食店でもなく、雑多な人間が集まり新しい文化が発生する場だと、僕は考えている。だから、クラブでジャズがもてはやされることは、むしろ好意的に考えていた。
しかし、クラブ・ジャズの実態が全く見えてこない。これがそうだと言われても、実際にその場に立ち会っても、確かにカッコいい音楽で充満しているのに、新しい音楽ではない。当たり前だが、過去にリリースされた聴き覚えのあるジャズ・ミュージシャンの珍しいレコードが鳴っているだけだ。
時間がかかって恐縮だが、ここでようやく勘違いしていたことに気が付いた。
つづく
左 : Coutney Pine / Modern Day Jazz Stories
右 : Herbie Hancock / Future 2 Future
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コメント
こういった音そのものに関しては別にどうこう言うつもりはないのですが、
個人的には"ジャズ"という言葉が含まれる事に違和感を感じます。
投稿者 たけ : 2008年10月22日 22:33
僕は、そこに違和感を感じてはいるのですが、ばっさり斬ってしまうのもアレかと思いますので、続きで、考えをあらわそうと思っています。乞うご期待で、よろしくお願いします!。
投稿者 てしま : 2008年10月25日 10:50
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