2 Rhodes Albums
Posted on 2009年01月31日 | コメント (0) | トラックバック (0)
ラグタイムの忘年会ではデュエットだったけれど、仕込みの際に参考にしたアルバムが Gil Evans と Steve Lacy のデュエットのアルバムだった。
nori さんが気に入っているというので、その音楽経験を参考にするつもりで買ったのだが、このアルバムはいろいろと評判がいいことが後でわかる。ギル・エヴァンスとスティーブ・レイシーはいずれもメイン・ストリームではないが、まず、そこがアルバムをユニークなものにしている。
ほとんどの曲がフェンダー・ローズで演奏されている。エフェクトはしておらず、素のローズの音色なのだが、エレガントで、且つダークな印象を受ける。情景を思い浮かべるなら、真冬の深夜の都内の道 (例えば六本木周辺の首都高が上に覆いかぶさったような道) の歩道を 1 人、又は 2 人で歩くようなサウンドである。
Les McCann の Layers というアルバムである。リリースは 1972。
レス・マッキャンは何年生まれか忘れたけど、今は 70 代の後半である。だいぶおじいちゃんだ。
1950 年代にソウル色の強いカルテットで活動をした後、ずっとその方面で活躍をしている。プロデュースや新人発掘についても実績があり、有名なところではロバータ・フラックをデビューさせ、西海岸に来たばかりのクルセイダーズの面倒をみたという話もある。クルセイダーズの古いアルバムでは、Leroy Vinnegar がベースを弾いているが、リロイ・ヴィネガーはレスのバンドのベーシストなので、ここでつながっているのだと思う。
言わばソウルに造詣が深いピアニストの第一人者なわけだが、自身もボーカルをやる。ちょっと古いジャズ・ファンならレス・マッキャンというと「Swiss Movement」が有名だけれど、そこでのボーカルをご存知な方も多いと思う。あるいは、もしご存知無いなら、ぜひジャズ喫茶みたいなところでリクエストされるといい。低い男らしいボーカルのシャウトがとてもかっこいい。
しかし「Layers」はレスのアルバムでも異色のものだ。当時の最新の電気キーボード (Rhodes, ARP, Moog Clavinetなどなど) をふんだんに使い、タイトルのとおり、これらの楽器を何層にも重ねアンビエントなサウンドを作っている。しかし、生半可なアンビエント・ミュージックで終わっていないところがさすがで、ビートにソウルがあり、心臓の鼓動のようである。
一本調子にならず、フィジカルなところとロジカルなところ、両面が両立しており、ジャズ・ミュージシャンはこうでなければと思う。
ちょっと前までは、プレミアがついて \6000 ぐらいしたディスクだけれど、今は ITMS でも買える。ということは試聴もできるので、ご興味があればどうぞ。
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