Pierre Boulez conducts Bruckner 8
Posted on 2008年03月25日 | コメント (0) | トラックバック (0)
土曜のバンドのリハの前、リハは渋谷なんだけど新宿の classic UNION に行ってきた。ブルックナーの 8 番交響曲を買いたかったからだ。ブルックナーは好きで同じ曲を複数のディスクで持っているけど、何でか 8 番だけはヨッフム / シュターツカペレ・ドレスデンしか持っていない。
そこで選んだのがこちら、ブーレーズ盤。
ブルックナー・マニアには大変評判が悪いディスクである。方々のレビューを見ても完膚なきまで叩きのめすようなコメントもある。
それを知っているのにこれを購入したのは、ブルックナーなのにカチッとした演奏のものが聴きたかったからである。スヴェトラーノフ / ソヴィエト国立響のディスクもあったのだが、82 年の録音なのと、あまりにもキワモノなのでやめた。
今回のブーレーズ盤も、実はちょっと躊躇した。だけれども、スクロヴァチェフスキ盤とかジュリーニ盤とか、聴く前から良いのがわかっているものを買うのは気が引ける。結局、録音が新しく、レーベルが DG なのも後押しして、思い切ってこれにした。妻帯者は中古で \840 でも思い切るときは思い切る必要がある。
月曜、今日と会社の行き帰りに、既に持っているヨッフム盤と比べるようにして聴いてみたが、やっぱりブーレーズだった。かなりカッチリしてて、細部が明瞭に聴ける上に重厚に鳴っている。もともとブーレーズは好きではなかったが、多数リリースされている他のブルックナーのディスクで聴ける何かが足りない。
そんなことを考えながら職場→職場最寄り駅のバスの中で聴いていたのだが、今さらながら、ブルックナーの 8 番には神々しさと大宇宙が無いとな、と感じる。この曲について "神々しさ" とか "大宇宙" とかいう表現を使うのはあんまり好きじゃなけれど (だからブーレーズ盤を買ったりしてるんだけど) 、やっぱり、ガチガチに構築されていても、ちょっと不完全燃焼になるのだなと思う。
それだけに、このディスクはブルックナー初心者には奨められないなとも思う。しかしブルックナー・マニアなら持つべきすごいディスクだとも思う。ここまで徹頭徹尾、ブルックナーの重厚な音の重なりを構築して聴かされると、かえって感心する。買って良かったかどうかについては、買って良かったと思うもの。こういうブルックナーを初めて聴いた。
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