千倉に行ってきた  03/03/15〜03/03/16

 page 1

 突然だが、僕は、ペンションに泊まったことがない。
 ペンション。なんと、スリルのある響きだろう。高原の国道からちょっと離れた地点に位置し、メルヘン調の2階建の木造家屋。母屋の前にはRVが停まり、犬小屋があって、たぶん、そいつはレトリーバーである。そして夕食にはチキンソテーにホワイトソースがのり、きっとニンジンとグリーンピースで構成された付け合せがあって、夕食後は髭だらけのオーナーと暖炉の周りにあつまり・・・・・。もうやめよう。これ以上書いたら怒られるかもしれない。
 要は、僕は、どうもペンションというものに偏見を抱いているのである。

 僕は仕事がら、人が作ったwebサイトを、非常によく見るのだが、あるとき、八ヶ岳にあるペンションのサイトのサポートをやった。そのペンションは、まあ、僕からしてみたら、あんまり魅力的ではなかったのだけれども、逆に、ペンションって本当はどうなんだろうと思ったのである。リピーターがいるというし、体験してみないとわからないことは多い。それに僕が想像しているペンションに対する偏見は極端である。それは僕にもわかる。

 あと、それから、ここのところ仕事の壁にブチあたっており、どうも休日にリフレッシュできていない。そこで、旅に行きたいと思うのだが、どうもアイディアが浮かばないのである。大好きな新潟にも、つい4ヶ月前に行ったばっかりなのだし、さあてどうしよう。
 とにかく、今回は、自分の未体験ゾーンに突入して、かつ新しい価値観を経験しリフレッシュするのが目的なのである。

 というわけで、今回、思い切ってペンションに泊まってみようと思った。で、GOOGLEで、音楽(特にジャズ)好きのオーナーさんのいらっしゃるペンションを探してみた。
 探してみると、案外あるのである。しかし「チキンソテーとミックスベジタブル + レトリーバー」の域を出ないペンションはあまり利用したくなかった。因みに、そういうところはスキー宿が多いようである。
 どんどん調べてみると、千葉の千倉にある、今回利用した「 Seaside inn Birdland 」が見つかった。
 未体験ゾーンだが、村上春樹さんもよく利用していたという情報もあり、ここにすることにした。ジャズ好きなオーナーさんがいるようだし、距離もそう遠くない。温泉旅館よりも圧倒的に安いから、お財布にも痛くないと思った。

*


 3/15は、朝の6:30に起きた。旅行に行くからといって、特別、朝早くに起きたくなかったので、平日で仕事が早番の時間と同じ時間に起床した。
 外は曇天である。ここのところ旅行に行くといっても、どうも好天にならないのだが、まあいい。アウトドアが趣味ではないし、僕はクルマで、好きな音楽を聴きながら、道を走るのが好きである。。。。。いや、やっぱり晴れた方がいいか。
 予定どおり、7:52ごろ出発。まず、ガソリンスタンドに行く。行き着けのキグナスである。土曜の比較的早朝であったが、営業をしていた。この時間にこのGSを利用するのは初めてである。どうなんだろう。普通のことなのだろうか。営業しているかどうか不安だったのだけれども。
 ちなみに、もし営業していなかったら、浦安でいっぺん高速を降りて、一旦GSに寄る予定だった。
 セブンイレブンに寄って、ドリンク類を調達。ついでにサンドイッチやガム(ブラックアンドブラック)も購入した。
 
 首都高の用賀ICに入る。朝のこの時間の首都高速は、渋滞はしているけれど、それほど苦にならない。もしかしたら、僕が渋滞に慣れてしまったのかもしれないけれど、僕は、多少混んでいても、信号が無い分、首都高の方が早いと思っている。
 渋谷近辺と、谷町JCT近辺以外はぜんぜんラクだった。

 東京タワーが見える。いつものように建っている。
 去年の11月から、細かいお出かけはいくつも行っていたけれど、久しぶりに見たなあと思う。このあたり(六本木とか虎ノ門とか赤坂)は普段は行かないなあ。

 やがてレインボウブリッジを渡る。この橋を渡ると、視界の左右に、東京が広がる。どこまでいっても建物が広大な平原のようにがえんえんと広がっているのが見える。撮影しようと思うのだけれど、運転中だからうまく撮影できない。東京・・・・・日本という国の首都であることをとても強く実感する。なんというか、TVで宇宙から撮影した地球をたまに見るけれど、極端な話、それを見たときと同じような感覚になる。
 自分の生活している世間は狭いけど、そこには本当にたくさんの人がいて、この視界から見えるどこかで何かが起きていて、それが本当に無数にあって、東京は広いなあ、でも1つなんだなあと。。。思う。

 首都高湾岸線に出る。この道は、たぶん渋滞知らずだと思う。片側4車線ぐらいあるだろう。すごく広い道だ。
 無事給油できたのでどんどん進む。このときはStevie Wander の「Key Of Life」 を聴いていた。

 ここから、しばらく、高速から降りるまで景色は変らない。

*


 姉崎袖ヶ浦ICまで何事もなく、インターを降りて、国道410号でまずは久留里まで目指す。千葉県に観光目的で行くと、どうしても「海」という感じがするが、この房総半島の山間も実は重要である。奥にある亀山ダムなんかは関東のバス・フィッシングの名ポイントである。
 実は、今回、千葉にいくことになったわけだが、躊躇した点がもう1つあった。それがこの房総半島の山間ルートなのである。渋滞を避けて道を選ぶとなると、どうしても、山間の道を選ぶことになる。これが狭くて、わかりにくいのだ。僕はカーナビを使用しなくても、大概のところは、該当する地図があれば、まったく問題がないのだが、やはり初めての道だから不安である。
 まわりはほとんど畑である。雑木林の木々が、低山木であることを除けば、雰囲気的に新潟の山間部と変わらない。農家があり、ところどころに学校や役場やコンビニが見える。  房総半島はけっこう大きいということを感じる。

 山間と次から次へと出てくるゴルフ場の案内看板をぬけて、途中、久留里駅前で道を1回だけ間違えたが、家内と地図のにらめっこをしながら、なんとか勝浦まで行けた。
 そうそう。久留里→勝浦までの抜け道は空いているがコンビニなどトイレポイントが無いので気をつけるように。勝浦にかなり近づくまでコンビニがありません。

*


 雨もだいぶ降ってきた。今日はこの勝浦でお昼ごはんである。目的のお店は、「 おさかな処 さわ 」というところである。千葉のリゾート物件を扱っている不動産屋のサイトの地元紹介ページで見つけた。
 勝浦についたのが午前11:00だった。開店までまだ時間があったので、お店の位置を確認したあと、勝浦港に行ってみた。
 雨がだいぶ強くなっている。
 久しぶりに海を見た。雨は降っているが、風は無い。港は、土曜日だからかひっそりとしている。波もなく、静かである。堤防に何人か釣りをしている人が見える。東京から距離があるせいか、人がいっぱいという様子ではない。昔は三浦半島でもこういう様子を見ることができたが、今は人だらけで、なかなか釣れなくなった。

 時間になったので、「 おさかな処 さわ 」に行く。webサイトでは11:30開店ということになっていたが、まだノレンが出ていない。
 最近、こういうことがあると、実は臨時休業だったということが多い。うーん土曜に休業するなんて、よっぽど地元志向のお店か、やる気が無いかのどちらかになるのだが・・・・・クルマで10分ぐらい待っていたら、やがてノレンが出た。

 煮魚定食を注文する。家内はギンダラ、僕はヒラマサ・・・・・この旅行記を書いているが、実はお昼前の時間なので、ちょっとよだれが出てきた。
 お店は、若い店主を中心に家族で経営されている。魚を捌き、調理するのは店主の澤さん、その他、小鉢などを調理するのが、どうも店主のお母さんのようである。
 僕ら夫婦が本日のお客さん第1号だった。お店を見ると、夜の方がメインで。ボトルキープされた、いいちこがたくさんある。
 店主はすごく若い方でまだ30前半である。たぶん、若い店主が気持ちがいいので人気があるのではないだろうか。夜、一杯飲りに来たら、いいかもしれない。

 このお店に来たら、まず、煮魚定食でも焼魚定食でも、何が今日あるのかたずねてみるといいと思う。\1500ぐらい。おいしくいただいた。

*


 ここから先は海岸線沿いの道になる。今日は土曜日だが、非常に空いており、気持ちがいい。
 車窓の左側に海、右側に外房線が走る。東京からそれほど遠いという感じがしないが、ちょっと、東京周辺では見られない、スレていない景色である。
 僕らが利用した道は、おそらく新道になるだろう。海岸線の、民宿が密集するような漁村は、ちょっと外れたところ、旧道ぞいになるだろう。おそらく、旧道を利用した方が、風情があっていいかもしれない。今回は、新道を利用してしまったが、ちょっとのぞいてみればよかった。
 天津小湊など、旅館が何件か固まる町をすぎ、やがて、鴨川市の入る。このあたりでも、最も大きい町になると思う。
 リゾート地という雰囲気がある。松が綺麗に立ち、大きなリゾートマンションなども見える。神奈川の茅ヶ崎とか辻堂のような雰囲気もあるが、あっちに比べ、ぜんぜんこっちの方がきれいだ。湘南に比べて東京から遠いからだと思う。コンビニやファミリー・レストランなんかもあるけれど、それほど多くない。
 鴨川シーワールドは、満車にだった。

 鴨川の市街地に入ると、ちょっと道が渋滞し始めた・・・・・が、全然問題がない。
 ちょっと色気を出して、鴨川市駅の方に行ってみた。駅前に巨大なジャスコがある。一昨年前、新潟に行ったときにトイレを借りに三条市駅前のジャスコを利用したことがあるが、そのときと同じぐらいの店舗だった。多分、鴨川市と三条市は同じぐらいの人口なんじゃないかと思う。

 鴨川市駅周辺をクルマで通っていて感じたのだが、国道沿いは、コンビニやファミレスや観光客目当ての店舗が多いのだけれども。国道からちょっと入ると、漁師町のような町並みになることがわかった。面白いと思う。千葉は、本当に、東京から大した距離があるわけではないけど、ちょっと、違うのである。漁業で生計を立てるということが、普通なんだろう。千葉県も含め埼玉や茨城は、東京の通勤圏だけれども、漁業や農業のような産業がとても充実している。アレをやりたいコレをやりたいというタイプの旅行をしない人にとってみれば穴場だと思う。

 鴨川市をすぎて、しばらく行くと、恒例の道の駅にがあったので寄った。「 鴨川オーシャンパーク 」という。ここはなかなか良い。磯のようなものを模して、遊具がたくさんある。例えば、写真にあるような、らせん状のホースをまわすことによって水を上に吸い上げるものとか。僕はオトナなのでガンガンやってやった。

 海岸線沿いの道をどんどん進む。まわりがだんだん閑散とし、花畑が多くなる。南房総だ。ちょっと、面白くなってきたぞ、天気は悪いけど、東京を含めた関東圏とは違う雰囲気になってきたぞ。
Seaside inn Birdland のバルコニー































上:首都高から見える東京タワー
左下:渋谷の東口のあたり。
右下:幕張SA































左:久留里線(JR)
右:久留里駅前














左上:おさかな処 「さわ」
右上:勝浦市街の町並み。「さわ」はこの通りにある
下:勝浦からちょっと先の漁港。
















左上:鴨川市の某所
右上:潮騒市場。これは 道の駅 とは違う。営利目的の物産ショッピングセンター。回転寿司屋は並んでいた。
左下:オーシャンパークに咲く花。
右下:オーシャンパークの屋上から見える海。







右上:オーシャンパーク前景
下:遊具。僕がまわしているハンドルを回すと螺旋上のホースが回り、水が上にくみ上げられる仕組み。この他、放水銃のようなものもある。子供向け。