今回の旅行は 2 泊 3 日で企画しており、会津若松から新潟県長岡市へ行く。はじめの計画では、すばらしい景観の R252 を使って只見町といった奥会津の町をじゅずつなぎに通って行く予定だったが、7/30 の豪雨で長岡まで抜けられなくなった。本当に残念ではあったが、R252 は子供の頃に家族旅行で走ったことがあり、逆に未経験の R49 を使うことにした。また R49 は磐越自動車道と伴走しているため、思わぬ時間のロスがあっても保険が利く。
これまでいろいろなところにクルマで行ったけれど、高速道路をつかってイッキに目的地に行く旅より、一般道を使って道と呼吸をあわせながら行く旅の方が、楽しい思い出になりやすい。たぶん僕だけじゃないだろう。
朝は早めに起きて、温泉に入ったりバイキング形式の朝食を食べた後、9:00 頃に出発。まず会津坂下町の郵便局により友人に絵葉書を出す。R49 沿いの GS で給油をしてスタート。
こういう感じの道を行く。
R49 は正確には福島県いわき市から新潟県新潟市を結ぶ国道で、太平洋側と日本海側を大きく縦断する道である。
R49 は街道である。江戸時代よりも前から新潟から海産物が、会津からは米が運ばれた交易の道で、この道がこの地方で重要であり、発展したのは阿賀野川による。Google Map のランドサット画像から東北を見ると会津盆地が大きくはっきりと見えるが、会津盆地は周辺の山々からの水を集める位置にある。最も水量が多いのが豪雪地帯の只見で、奥只見ダム、田ノ倉ダムという貯水量が日本有数のダムを 2 つ抱えている。
恥ずかしながら、阿賀野川がこんなに長く太い川だというのを知らなかった。大きい川であることは知っていたが、飯豊山脈からそのまま流れる川だと思っていた。ひらがなの「つ」の字のように只見から会津盆地をぐるりと回って日本海に注ぐ川であることを知らなかった。
その阿賀野川と出会ったり離れたりしながら、県境最後の峠を越えると穏やかな町につく。これが津川で、阿賀野川の水運交易の拠点になった町である。小さくて四方を山に囲まれた町だけれどこじんまりとした中に古くからの建物が多く残っており、かつて栄えたことがわかる。
阿賀町津川。
僕は日本酒が好きなので、酒造がある町は見た目以上に歴史があるという勝手な考えを持っているけれど、この町には酒造が 2 つあり、例えば「麒麟山」という東京でも気の利いた酒屋なら置いてある酒がある。
1 時間ほどペースが速いので、国道から旧道に入る。寄れたらぜひと思っていた「山崎糀店」につく。
道を挟んだ向かいに駐車スペースがあり、クルマをとめてお店に入ると、自動でベルが鳴って、お店の方が出てきた。
店内は昔の土間で、冷蔵ケースがあり、様々な糀漬がある。寄ったはいいけれど要冷蔵のものは旅の長さから買えないなと思っていたら、お勧めされたものにいいのがあった。糀と塩を混ぜたもので材料はそれだけである。お店の方もイチオシらしく、これを使ったレシピと料理の例を教えて試食させてくれた。例えばキュウリを厚め (1cm) の小口切りにし、ビニール袋に塩糀小さじ 1 と入れて、やや、もんで 一日冷蔵庫に入れたもの。これだけで浅漬けが出来る。無添加で旨味調味料の類は全く入っていないのに、甘塩味の奥行きのあるおいしいものになっていた。常温保存が可能なうえに 1 年近く持つということでお土産用とあわせて 3 袋購入する。
(帰宅後にその通りのものを作って食べてみたら、同じものが出来上がって、なお嬉しい結果になった。1 回に小さじ 1 しか使わないからまだまだ作れる)
それから、下越酒造に寄って何か買おうと思ったが、お店はお盆でお休み。R49 に戻る途中の酒屋により、目的にしていた「蒲原」の特別純米酒を買う。この酒は僕の地元のジャズ屋でよく飲む友人に紹介された酒である。
津川には 2 つ酒造があると先に書いたけれど下越酒造では「麒麟」という酒を造っている。麒麟山酒造の「麒麟山」は都内でもやや見るが「麒麟」は見たことが無い。「蒲原」は下越酒造のもう一つのブランドで、特別な酒であると思っている。一升瓶で購入したがまだ開けていない。
町を出てしばらく走ると、道のあちこちが "いっぺん泥水に浸かった" ような状態になっており、やがて片側通行になって上下線入替え信号待ちになった。R49 は片側 1 車線だけれど大型トラックも通れる道だが、7/30 の豪雨で阿賀野川が氾濫し川側の道がごっそりと削り取られてしまったらしく、その修復工事のためである。
2 週間経っているがまだまだ水は茶色い。
「将軍杉」に寄る。
将軍杉。環境庁測定で現在日本一の太さの杉。
http://www.town.aga.niigata.jp/kankou/rekishi/syougunnsugi/index.html
お昼は道の駅で にしんそば。
道の駅「阿賀の里」http://www6.ocn.ne.jp/~aga1000d/
にしんそば は京都発祥の食べ物とされているけれど、会津若松の郷土料理に「にしんの山椒漬」というのがあり (おいしい)、これは会津藩が蝦夷警備をやっていた関係で、北海道の産物がよく入ってきたことによる。阿賀野川についてのウンチクのとおり、流域には会津藩関連のものが大量に運ばれており、にしん を使った料理が多い。
馬下橋を渡る。
しばらくこういう日本の穀倉地帯を走る
加茂市街。
この後、三条市から R8 に出て長岡市内のホテルに到着したのは 15:30 頃
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