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千歳烏山「RAGTIME」にて (2009/01/23)

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ジャム・セッションと私(「練習しなきゃだめなんだよ」という話を長々と書く)

2011/02/16 21:24

2/13 に本当に久しぶりでジャム・セッションに行ってきた。用賀の「キンのツボ」。お店のジャムに行くのは 2008 年に宇都宮で行った以来ではなかろうか。あ、TUBO のセッションには行ったかも。

僕はジャム・セッションに極端に行かない方である。理由は様々にあるけれど、主なのは「ジャム・セッションでは自分がやりたい演奏が出来ない」からだ。やりたいようにやるなら自分でバンドを組んでメンバーと調整をつけながらやった方が絶対にいい。

人がジャム・セッションに行くようになる過程はほぼ誰でも同じだろうと思う。
  1. 大学のジャズ研等に入りジャズのやり方を覚えてサルになる。
  2. 飽き足らずジャム・セッションに行く
  3. 社会人になって時間が限られる。
  4. それでもジャム・セッションに行く
  5. 凹む
  6. 宅内演奏だけではつまらないのでジャム・セッションに行く。
  7. 凹む
  8. 6 に戻る。
すまん。

「ジャム・セッションでは自分がやりたい演奏が出来ない」と書いたけど他にも理由がある。僕はジャム・セッションではモテない。もしモテれば凹むことは無かろう。
1999〜2000 年頃、職場が高田馬場にあり、よく「イントロ」のジャムに行っていた。この頃だいぶ凹んだ。凹むのはモテないからだがモテない理由は明快だ。下手だからである。もう所帯を持っていたから下手なのを上手くするにはなかなか時間が無いので、お小遣いを使って習うことにした (そこで和音の積み方とタイムの取り方を教えてもらった)。
その後、ラグタイムに出入りするようになり、恒常的に自分でバンドを組むようになり、ジャム・セッションに行かなくても時間が埋まるようになったので、ますますジャムから遠のくことになるが、たまにジャムに行って (あえて楽器を限定するけど) モテるピアニストを見てても、そういうピアニストが必ずしもカッコいいとは限らないという印象は変わらなかった。人間なので多少のやっかみはあったとしても、演奏が面白い・面白くないは上手・下手とは完全なイコールではないと思う。

ジャム・セッション上の固定スタイルって、本来は存在しないのが前提だが、実際は存在している。お店によって多少スタイルが異なるのは通例だけれども、最大公約数的なスタイルがある。もちろんジャム・セッションの進行方法の話ではなくて演奏内容の話。わかるでしょ。
実のところ、モテる演奏をするにはスタイルを限定してしまう可能性がある。これに抵抗があるのが、いろいろとイビツになる原因でもあるわけだが、自分のスタイルを大きく崩さなくてもイケる方法があるんじゃないかと思ったのが、今回ジャムで得た感想である。当日のセッションに来ていた 2 人のテナーのうちの片方の演奏を聴いて思った。話のネタに誰なのか書いておくと僕らがよく知ってる方の人ね。

(ピアノは大変。モテるためには出来なきゃならないことがけっこうあって、代表的なのがイントロと歌伴。ジャムで面白いイントロって聴いたことある?。たいがい 4 小節のアレだけど、アレひとつで演奏のスタイルがバチーんと決まっちゃうよね。僕はアレが苦手だ。出来れば弾きたくない。また、歌伴は難しいって一般的に言われるけど、最初のハードルは # 系のキーを攻略しなきゃいけないこと。"歌伴は難しい" って言葉ひとくくりで言っちゃってるけど、キーの攻略が山なのは事実。テクニカルと時間の問題。)

何のためにモテる必要があるのか。モテたいのは心のスキマを埋めたいのと同じであると言っていい。そして少し踏み込んで考えると、本当はモテる必要は無くて、ジャムに行く必要も無いという結論が出る。ワイルドに演奏することを楽しみにするなら、実現するのがちょっと難しいのが、どこのジャムでも現状だ。ならば何のためにジャムに行くのか、練習の成果を実戦で試すことを目的にするのが妥当だろう。さらに目的が明確であれば充実感も出るだろうとの予測。

あともうひとつ。自分のスタイルを崩さずに、セッション内で他人の役に立つ方法を探すのも課題だと考える。ピアニストの役割は曲の進行を指し示すこととリズムのキープ。演奏に変化を与えるのも役割だが、最初の 2 つの方が大切だ。ジャムは邂逅が重要だが、他人に不安を与える存在でない方がいい。
ジャムで充実感を求めるなら、自分が満足したかどうかを漠然と認識するのではなく、何を求めててどれだけ得られたかを正確に把握することが大切。また、その為に準備しておくという結論。



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