12/7 火曜の朝、なんとなくフランクの交響曲を聴いていたら、この曲好きだなぁとという感情を覚えた。ブルックナーが好きなので、こういうしっかりしたサウンドの音楽が好きなんだと思う。
ただし、響きがすばらしいといって、こういった曲のコードをアナライズしてもジャズで見られるような高度なテンションやヴォイシングって案外現れない。以前、ブルックナーをアナライズしてた時、ハッと驚くようなコードやコード進行を見つけられず、なんとなく空虚な気持ちになったことがある。
その時は、響きの秘密は (オーケストラ・サウンドなので) 音色にあるんじゃないかなでおしまいにしてしまったのだが、今回フランクを聴いて、音の重ね方に無駄が無いからなんじゃないかなと、改めて気づく。実検証は行っていないが、場に合致したテンションやヴォイシングを用いているので、響きが生きるのだと思う。
音の重ね方にムダが無い。これはすごいことだ。ジャズやってるとテンションを重ねて豊かな響きが得られることに気をとられるが、逆に音を重ねすぎている場合もあり、結果的に演奏がねっとりして面白くない場合もある。上手く弾けてるよねぐらいで終わってるみたいな。
また、アマチュアのジャズ・ピアノがカッコ悪い場合って、例えばソコだ。弾きすぎることだ。
(弾きすぎる原因について、僕なりの考えだけれど、普段バンドで弾いていないと、そのピアニストは弾きすぎる傾向が出ると考えている。空気が読めないからではない。ヤリたいようになんとなくヤッちゃうと、そうなる。)
先日、芦花公園で演奏した時のことを思い出した。弾きすぎないことはずっと前から課題だと感じていて、アーマッド・ジャマルを聴いてみたりと ("自分なり" で申し訳ないのだが) いろいろと勉強したり、工夫していたけれど、ところがこの時は弾かないことで失敗した。
1 曲目が Goodbait で、コルトレーンの SOULTRANE での演奏を参考にしており、あの演奏ではテーマ部ではピアノがほとんど現れない。そんなわけで、リハーサルではテーマ部でピアノを入れることによりイケていなかったとの判断から、本番当日はテーマ部では弾かないことを実践したら、これがかえってよくなかった。スタジオと違って野外では音が拡散してしまい、弾かないとサウンドが薄くなる。これがフロントのミュージシャンに影響し、バンド全体が萎縮してしまった。
スタート時点でコケたものだから、最初の 3 曲ぐらいはフラフラした状態になったと思う。これが今回の大きな反省点。野外で演奏する時は音を出したほうがいい。
別件。ピアノの蓋について。音量を得るためにピアノの蓋を外す時があるけど、ピアノや演奏会場 (スタジオを含む) によっては、どの蓋を外すか考えた方がいいようだ。アップライトピアノの場合、外せる蓋というと、正式名称は知らないけど、天板、足前蓋、正面蓋があるけど、全部外すのはかえってピアノの響きを殺すかもしれない。で、正面蓋についてが一番デリケートで、この板が外せる蓋でも最も厚いから、外すと弦の響きが強くなりすぎ、木の響きを取っ払っている状態になるのではないかと。
結論は出てないけど、ちょっと色々と試したいところ。今のところ、僕の場合、正面蓋は外さない方がいいようだ。
oldsite(-2007/09/03) oldblog(2007/09/03-2010)